近年の医療の進歩や変遷にともない、現在の中核病院では、高度医療を推進し、専門別診療体制へ進む傾向にあります。
当病院においても、それぞれ臓器別に専門分野を持ち、優れた知識や技術を提供する"エキスパート医"は多数在籍しており、内科診療における一つ一つの疾患への診断や治療は確実に進歩をとげております。
しかし、日本では超高齢化社会を迎え、病院を訪れる患者さんの多くは複数の疾患を抱えており、必ずしも訴えや症状は一つにとどまらず、疾患も多岐に渡ることが多くなっています。このため各分野の専門医師は連携して適切な診断や治療を施さなくてはなりません。また、種々の疾患を抱える患者さんの全身管理は専門科にとっては逆に難しくなっているのも現状です。これらの現状から、患者さんの多様なニーズに適切に対応する総合的な臨床能力が重要となっています。
当科では、あらためて"内科"の本質に戻り、"「病」を診るだけではなく、「人」を診る"という原点に立ち返り、専門科との連携を含め、総合的に内科診療を行うことで、最終的に患者さんに医療における最大のmedical benefit(医療の利益)が得られるように努めてまいります。
総合科とは?
アメリカでは、1970年代終わり頃から1980年代にかけて、余りにも専門分化しすぎた医療のあり方への問題提起から、Primary care(プライマリ・ケア)の考え方が推進されました。アメリカ科学アカデミーの定義(1978年)では、プライマリ・ケアは次の5つの項目を満たすものとされています。
(1)Accessibility (近接性) |
a. 地理的、b. 経済的、c. 時間的、d. 精神的 |
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(2)Comprehensiveness (包括性) |
a. 予防から治療、リハビリテーションまで b. 全人的医療 c. よくある疾患を中心とした全科的医療 d. 小児から老人まで |
(3)Coordination (協調性) |
a. 専門医との密接な関係 b. チーム・メンバーとの協調 c. Patient request approach(住民との協調) d. 社会的資源の活用 |
(4)Continuity (継続性) |
a.「ゆりかごから、墓場まで」 b. 病気の時も健康な時も c. 病気の時は外来-病棟-外来へと継続的に |
(5)Accountability (責任性) |
a. 医療内容の監査システム b. 生涯教育 c. 患者への充分な説明 |
これらの複雑な疾病群の診断や治療に対し、効率的・科学的に治療の優先順位を決定し、適切な専門科との連携を行ういわゆる"病院診療でのプライマリケア"の実践を進めます。
役職名 | 氏名 | 専門分野 | 資格等 |
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医員 | 清水 和久 |
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